結論:+1 787 / 939 は、プエルトリコ(カリブ海)の番号です。
+1 はアメリカだけの国番号ではなく、20か国25地域が共有しています。
番号自体は実在しますが、身に覚えのない着信は発信者番号を偽装したものである可能性があります。
折り返さないでください。
スマートフォンや固定電話に「+1 787 / 939」から始まる番号で着信があり、どこの国からの電話なのか調べに来られた方が多いと思います。
この記事では、+1 787 / 939 が プエルトリコ の番号である理由を整理したうえで、なぜ身に覚えのない着信が届くのか、折り返すとどうなるのかを解説します。
+1 787 / 939 はどこの国?【結論:プエルトリコ】
プエルトリコには市外局番が2つあります
プエルトリコはカリブ海にあるアメリカの自治連邦区です。住民はアメリカ国籍を持ちます。
- +1 787:もともと使われていた市外局番
- +1 939:2001年に追加された市外局番
なぜ2つあるのか
787 の番号が不足してきたため、同じ地域に重ねて新しい市外局番を追加する「オーバーレイ」という方式で 939 が導入されました。地域を分割するのではなく、同じ場所で2つの市外局番が併存します。
アメリカの領域であるため、アメリカ本土との通話は国内通話として扱われます。ただし日本から見れば、どちらも国際電話です。
+1は20か国25地域が共有している
+1 は 北米番号計画(NANP:North American Numbering Plan)の国番号です。アメリカとカナダだけの番号ではなく、カリブ海と太平洋の国・地域を含めて20か国25地域が共有しています。
そのため 「+1 だからアメリカからの電話」という判断は成り立ちません。国・地域を見分ける手がかりは、+1 に続く3桁の市外局番です。
かつてカリブ海は「+1 809」で一括されていた
いまでこそ地域ごとに市外局番が分かれていますが、かつてカリブ海の多くの島は +1 809 という単一の市外局番でまとめられていました。バミューダもその一部でした。
その後、各国・地域の通信需要が増えたことを受けて、1990年代以降に順次、独自の市外局番が割り当てられていきます。現在の細かく分かれた構成は、この分割の結果です。
なお 809 自体は現在もドミニカ共和国の市外局番として使われています。
身に覚えのない +1 787 / 939 の着信は偽装の可能性があります
+1 787 / 939 は実在する番号帯ですが、あなたの電話にかかってきた「+1 787 / 939」が本物である保証はありません。
発信者番号は偽装できる(CLIスプーフィング)
理由は、電話の発信者番号は技術的に偽装できるからです。
現在の国際電話の多くは、インターネット回線を経由する IP電話(VoIP) でやり取りされています。VoIP では、発信側のシステムが「発信者番号」として任意の文字列を通知できます。これを CLIスプーフィング(発信者番号偽装) と呼びます。
国内通信であれば事業者間で番号の正当性がある程度チェックされますが、国際区間をまたぐ通話では、通知された番号が本物かどうかを受信側で検証する仕組みが十分に機能しません。その結果、割り当てすら存在しない「+787」がそのまま日本の端末に表示されます。
着信履歴の「+787」は、「+787という国から電話が来た」のではなく「発信者が+787と名乗った」にすぎません。実際の発信元はまったく別の国である可能性が高く、受信側から特定することはできません。
「+1」の知名度が利用されます
+1 が偽装に使われやすいのには理由があります。
- 知名度が高い:+1 はアメリカの国番号として広く知られており、「怪しい国」という印象を持たれにくい
- 心当たりを作りやすい:海外通販、SNS、旅行など、アメリカと関わる機会は多く、「何か思い当たるかも」と考えさせやすい
- 国内番号に見える:3桁の市外局番が続く形式は、アメリカの利用者にとって国内の番号と区別がつきません
+1 787 / 939 は詐欺に使われている|警察庁・総務省・電話会社の注意喚起
国際電話番号を使った特殊詐欺については、警察庁・総務省・大手通信各社がそろって公式に注意喚起を出しています。
※ 各機関の注意喚起は「国際電話番号を使った特殊詐欺」全般を対象としたものです。「+1 787 / 939」を名指しした公的発表は、現時点では確認されていません。ただし +1 787 / 939 は、注意喚起が対象とする典型的な手口(発信者番号偽装・ワン切り)に該当します。
警察庁:国際電話番号の犯行利用が急増
警察庁は特殊詐欺対策ページ「SOS47」で、令和5年(2023年)7月以降、特殊詐欺での国際電話番号の犯行利用が急増していると公表しています(2024年12月18日)。対策として国際電話の利用休止を案内し、高齢者世帯には申込書や送付用封筒の配布といった手続き支援まで行っています。
総務省:相談窓口「でんわんセンター」を開設
総務省は2025年6月10日、迷惑電話対策の相談窓口「でんわんセンター」を開設しました。「知らない番号から電話がかかってきた」「自動音声の不審な電話がかかってくる」といった相談を無料で受け付けており、国際電話不取扱受付センターと連携して利用休止の申し込みもサポートしています。
- 迷惑電話対策相談センター「でんわんセンター」(総務省事業)
- 電話:03-6162-1111(平日10時〜17時/土日祝・年末年始を除く)
- 相談料無料(通話料は自己負担)
電話会社:ワン切りによる高額請求を警告
ソフトバンクは2025年6月10日の告知で、「着信履歴を残すことで受信者に折り返しを促し、高額な通話料金を請求する」ワン切り詐欺の手口を具体的に説明し、心当たりのない国際電話番号に折り返さないよう呼びかけています。大阪府警をはじめ各都道府県警察や自治体、国民生活センターも同様の注意喚起を行っています。
実際に報告されている手口には、中国語の自動音声で用件を告げるもの、通信会社や大手企業の名前を名乗って未払い料金を請求するもの、警察官や公的機関の職員を装うものなどがあります。公的機関が国際電話番号から連絡してくることはありません。
+1 787 / 939 に折り返してはいけない理由
着信履歴が残っていると折り返したくなりますが、心当たりがない限り +1 787 / 939 への折り返しは避けてください。理由は4つあります。
- 接続先が表示と異なる可能性がある:表示番号が偽装されている以上、折り返し先が何につながるかは事前に判断できません。
- 日本からはすべて国際通話:プエルトリコはアメリカと同じ +1 を使いますが、日本から発信すれば国際通話料が発生します。
- カリブ海の番号は料金水準が高いことがある:+1 のなかでも国・地域によって料金は異なります。FCC が警告するとおり、高額請求につながる番号帯があります。
- 「反応する番号」として記録される:折り返す行為自体が「この番号は使われていて、電話に反応する人物がいる」という情報になります。以降、迷惑電話が増える可能性があります。
正当な相手であれば、留守番電話にメッセージを残すか、別の手段で改めて連絡してきます。折り返す必要はありません。
+787 に電話をかけるといくらかかる?【通話料金】
通話料はかけた側が負担します。着信に折り返した時点で、料金を払うのは着信を受けたあなたです。相手が国際電話をかけてきたこと自体には、あなたの料金は発生しません。
日本の携帯電話から +787(プエルトリコ)へかけた場合の通話料です。
| 携帯電話会社 | 30秒 | 3分 | 10分 |
|---|---|---|---|
| NTTドコモ(平日8:00〜19:00) | 111円 | 666円 | 2,220円 |
| NTTドコモ(夜間・早朝・土日祝) | 60円 | 360円 | 1,200円 |
| au(KDDI) | 149円 | 894円 | 2,980円 |
| ソフトバンク・ワイモバイル | 149円 | 894円 | 2,980円 |
| 楽天モバイル | 111円 | 666円 | 2,220円 |
料金はいずれも30秒あたりの金額です。国際通話料に消費税は加算されません。料金は改定されることがあります。発信前に契約中の会社の公式ページで最新の金額をご確認ください。
出典:
- NTTドコモ(WORLD CALL)(2023年10月11日現在)
- au(KDDI)(2024年6月現在)
- ソフトバンク・ワイモバイル(2025年3月19日時点)
- 楽天モバイル(2023年6月1日時点)
+1 787 / 939 の電話に出てしまったときの対処
すでに出てしまった方向けの説明です。まず落ち着いてください。出ただけで直ちに金銭的被害が発生することはありません。
出ただけで通話料は請求される?
請求されません。 日本の電話サービスでは、国内で電話を受ける側に通話料が課金されない仕組みが原則です。国際電話であっても、着信した側に国際通話料が請求されることはありません。費用が発生するのは、あくまでこちらから国際電話をかけた場合だけです。だからこそ、相手は折り返させようとします。
やってはいけないこと
- 折り返し発信する
- 自動音声の指示に従って番号(「1を押してください」等)を入力する
- 氏名・住所・生年月日・口座番号・暗証番号・カード番号を答える
- 案内された URL や SMS のリンクを開く、アプリをインストールする
- 「電話を切らないでください」という指示に従い続ける
やるべきこと
- 何も答えず、すぐに切る(無言で切って構いません)
- 番号を着信拒否に登録する
- 実在の企業や公的機関を名乗られた場合は、相手が言った番号ではなく公式サイトに記載された番号にこちらからかけ直して確認する
- 個人情報を答えてしまった、金銭を要求されたという場合は、警察相談専用電話 #9110 または消費者ホットライン 188 に相談する
+787 からの着信をブロックする方法
スマートフォンの設定でブロックする
- iPhone:着信履歴の番号右側の「i」→「この発信者を着信拒否」。「設定」→「アプリ」→「電話」→「不明な発信者を消音」をオンにすると、連絡先にない番号を鳴らさずに処理できます。
- Android:着信履歴の番号を長押し→「ブロック」または「迷惑電話として報告」。「迷惑電話とスパムの保護」をオンにしておくと自動で警告されます。
- 各社の迷惑電話対策サービス:ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルがそれぞれ提供しています。提供内容と料金は契約中の会社の公式ページでご確認ください。
ただし発信者番号は毎回変えられるため、1件ずつのブロックでは追いつかないことがあります。
国際電話そのものを止める
海外と電話をやりとりする予定がないなら、国際電話の発着信を契約単位で止めるのが最も確実です。いずれも無料で申し込めます。
- 国際電話不取扱受付センター:0120-210-364(オペレーター受付は平日9時〜17時、自動音声は24時間・無料)。固定電話の国際電話の発信を停止できます。希望すれば海外からの着信も止められます。
- NTTドコモ:151(ドコモの携帯から)/0120-800-000
- au(KDDI):157(auの携帯から)/0077-7-111
- ソフトバンク・ワイモバイル:157(ソフトバンクの携帯から)/0800-919-0157
- 楽天モバイル:my 楽天モバイルから国際通話の利用を停止
警察や自治体、国民生活センターも特殊詐欺対策としてこの手続きを案内しています。国際電話を使わないご家庭、特に高齢のご家族の電話には有効な対策です。
+787 に関するよくある質問
+1 787 / 939 はどこの国の番号ですか?
プエルトリコ(カリブ海)の番号です。+1はアメリカ・カナダを含む20か国25地域が共有する国番号で、+1に続く3桁の市外局番で国・地域が分かれます。787 / 939 はプエルトリコに割り当てられています。
+1 787と+1 939は同じ地域ですか?
どちらもプエルトリコです。787がもともとの市外局番で、番号不足を受けて2001年に939が追加されました。同じ地域に2つの市外局番が併存する「オーバーレイ」という方式です。
+1 787 / 939 に折り返すと料金はかかりますか?
日本から発信すれば国際通話料が発生します。カリブ海の番号は料金水準が高く設定されている場合があるため、心当たりのない着信には折り返さないでください。
+1 787 / 939 の電話に出てしまいました。料金は請求されますか?
請求されません。日本では電話を受けた側に通話料が課金されない仕組みが原則で、国際電話でも同じです。料金が発生するのは、こちらから発信した場合のみです。
まとめ
- +1 787 / 939 は プエルトリコ(カリブ海)の番号
- +1 はアメリカだけでなく20か国25地域が共有している国番号
- かつてカリブ海の多くの島は +1 809 で一括されており、1990年代以降に分割された
- 受けただけ・出ただけでは料金は発生しない。心当たりのない着信への折り返しは厳禁
ご家族、特に高齢の方の電話にも同じ着信が届いている可能性があります。この記事を共有していただけると、被害の防止につながります。
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ゾーン1(北米番号計画)のほかの番号帯
ほかのゾーンの国番号
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- +30 はどこの国?ギリシャの国番号 ― ゾーン3(ヨーロッパ)
- +40 はどこの国?ルーマニアの国番号 ― ゾーン4(ヨーロッパ)
- +51 はどこの国?ペルーの国番号 ― ゾーン5(中南米)
- +60 はどこの国?マレーシアの国番号 ― ゾーン6(東南アジア・オセアニア)
- +7 はどこの国?ロシア・カザフスタンの国番号 ― ゾーン7(ロシア・カザフスタン)
- +81 はどこの国?日本の国番号 ― ゾーン8(東アジア・南アジア)
- +90 はどこの国?トルコの国番号 ― ゾーン9(西アジア・中央アジア)
- +800はどこの国?国際フリーフォン(UIFN)の番号 ― 国際サービス用(国ではない番号)
参考・相談先
番号の割り当てを確認した情報
公的機関・電話会社の注意喚起
- FCC(米国連邦通信委員会)「’One Ring’ Phone Scam」
- 警察庁 SOS47「国際電話番号による特殊詐欺が急増中!」(2024年12月18日)
- 総務省「迷惑電話対策相談に関する『でんわんセンター』の開設」
- ソフトバンク「国際電話を悪用した特殊詐欺に関するご注意」(2025年6月10日)
相談窓口
- でんわんセンター(総務省事業):03-6162-1111(平日10時〜17時)
- 国際電話不取扱受付センター:0120-210-364
- 警察相談専用電話:#9110/消費者ホットライン:188
最終更新:2026年8月1日/番号の割り当て状況は NANPA の資料をもとに確認しています。

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